2018年1月25日木曜日

PRESIDENT Onlineに田口ドクターのインタビュー記事が掲載されました

オーク会事務部です。

田口早桐ドクターがPRESIDENT Onlineのインタビューを受けました。
タイトル「専門医も太鼓判「深キョン妊活」のリアル」
是非ご覧ください。

http://president.jp/articles/-/24285














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2018年1月16日火曜日

検査の精度(その2)

理事長の中村嘉孝です。

前回の記事の続きです。

仮に検体を取り違えて、全く別の人の血液でNIPTの検査をしてしまったとします。結果の意味は、あなたが25才である場合と45才である場合で違ってしまうのです。

http://www.perinatalquality.org/Vendors/NSGC/NIPT/

例えばこのサイトを使って計算すると、18番染色体について異常との結果が出た場合、45才だと90%が正しいけれど、25才だと15%しか正しくない。なぜなら45才の方が、もともと染色体異常の確率が高いから。だから、日本の学会は35才以上をNIPTの対象としているのです。

一方、NIPTは優れた検査だと言われる理由は、陰性的中率が非常に高い、つまり見逃しがほとんどないことです。陰性的中率が99.99%といえば、見逃してしまうのが一万人に一人だけ。

だけど、例えば13番染色体について言えば、極端な話、何の検査もせずに全員に「大丈夫」ってデタラメを言っても、もとから千人に一人しか異常はない。陰性的中率は99.9%なです。

また、調べることのできる染色体も限られています。NIPTで異常なしという結果であっても、21、18、13番以外の染色体異常についてはわかりません。調べているDNAも、胎児の細胞のDNA ではなく、胎盤の細胞から出たもの。

結局、NIPTはマス・スクリーニングとしての検査なんですね、もちろん、マス・スクリーニングとしては、私も非常に優れた検査だと思っています。確定診断の羊水検査を全員の妊婦にするのは現実性がないけれど、血液検査なら気軽にできます。

日本では学会肝煎りのコンソーシアムとやらで大層なことになってしまっていますが、欧州では保健行政サービスの一環として日常的にされていて、事前のカウンセリングなんかも必要ないんじゃないか、という話も出ているほど一般的な検査となっています。

日本では遺伝検査というと、検査を強要している訳でもないのに、すぐに「ナチスの優生学が」という話が出てきて議論が違う方向に行きますが、国際学会に行くと、ナチスの優生学に最も敏感なはずな欧州の参加者が、出生した場合の社会福祉コストと検査費用についての経済的比較の研究を、当然のこととして発表しています。はっきり言うと、NIPTは大騒ぎするほどの検査ではないのです

一方で、昔からある羊水検査。日本の学会も、特に規制などしていません。しかし、近年の遺伝検査技術の進歩によって、羊水検査で様々なことがわかるようになっています。以前は染色体を顕微鏡で見て数を数えるだけしかできませんでしたが、今は染色体の微小な欠失もわかるようになっています。また、染色体だけではなく、Whole Exome Sequencing (WES)といって、様々な病気の原因となる遺伝子レベルの異常を調べる検査も行われるようになっています。
















2018年1月10日水曜日

PRESIDENT Onlineに田口ドクターのインタビュー記事が掲載されました

あけましておめでとうございます。オーク会事務部です。
本年もより一層、皆様のお力になれるようスタッフ一同がんばって
参りますので、よろしくお願いいたします。

田口早桐ドクターがPRESIDENT Onlineのインタビューを受けました。
タイトル「中国人が"日本の産婦人科"に殺到する理由」
是非ご覧ください。

http://president.jp/articles/-/24130










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2017年12月11日月曜日

検査の精度

理事長の中村嘉孝です。

「感度」が100%の検査、つまり、がん患者100人に検査したら100人とも+の結果になる検査があるとします。もし、あなたがその検査を受けて+の結果だったら、あなたががんである確率はどれくらいだと思いますか?

「なに悠長なこと言ってる。がんに間違いないだろう!」

でも、ちょっと待ってください。がん患者の検査結果が+であることと、検査結果が+である人ががんであることは、逆の関係です。

検査の精度は「感度」だけではわからないのです。がんでないのに間違って+になる、つまり、偽陽性のことも考えないといけません。

で、がんでないことがわかっている人にこの検査をしたら、100人中1人は間違って+になったけど、99人は正しいの結果だった。この場合、「特異度」が99%といいます。検査の精度は、「感度」と「特異度」で決まります。

「で、私ががんの確率は?」

すみません、実はよくわからないんです。

「ふざけるな」と思われるかもしれませんが、本当です。例えば、マンモグラフィーの乳がん健診を考えてみてください。

感度80%、特異度90%だったとすると、本当のがんの人の2割を見逃し、がんでない人の1割を過剰診断してしまう、ということですね。

これを表にしようとすると、本当に乳がんであるかないかというのと、検査結果の+と−で、4通りの組み合わせになります。

仮に1000人が健診を受けて、その中にがんの人が20人隠れていたとします。検査の感度が80%だから、16人が+になり、4人は−で見逃しです。逆に、がんでない残りの980人のうち10%は間違って+になってしまいます。次の表の通りです。








そして、+の結果が出たときに本当にがんである確率、皆が本当に知りたいのはそれ。で、+のところを横向きに見てください。+になった人の合計114人のうち、本当にがんの人は16人だけなんです。計算すると、14%ほどになります。 でも、この数字はもともとの集団にどれだけの割合で本当に病気の人がいたか、によって違ってきます。どのような人たちに検査をしたかで、検査結果の意味が変わってしまうのです。 「は?同じ検査でしょ?」 はい、そうなんです。例えば、インフルエンザの検査。のどを綿棒でこすって調べる、あの検査が、夏と冬とでは検査結果の意味が違ってきます。 夏で誰も風邪なんか引いていない時と、冬でインフルエンザの流行期では、まったく同じ検査キットを使っているのに、+の結果の意味が違います。冬には結果が+の人の90%が本当にインフルエンザなのに、夏には1%しか当たらない、なんてことになるのです。 これが確率というものの限界で、だから、実際の診断ではのどの痛みとか熱とか、総合的に判断しないといけません。マンモグラフィーについても同じで、もともと「しこり」があるとか、家系に乳がんが多い、という方では意味が違ってきます。 確率について計算できるのは、もともとの確率、つまり事前確率があるから。検査前の事前確率に検査結果を加味して計算し直し、事後確率を出しているので、単に検査だけでは、確率が計算ができないのです。 このような確率計算の方法をベイズ統計といいますが、ベイズ統計では極端な話、事前確率は何でもいいのです。どっちかわからないし五分五分からスタート、とか、いや7割くらいでしょう、とか完全に主観で恣意的に決めてよいのです。 マンモグラフィーの例をもう一度考えてみます。市民集団健診だから有病率を事前確率にしました。そして、結果を市民全体でみたら確かに当てはまる。でも、それってトートロジーじゃないですか。 確率は何かを母集団と仮定したときに、その中で個別性を無視して十把一絡げにしてはじめて成立するものであって、個人にとって確率とは、原理的に、存在しないのです。 ところが新型出生前検査(NIPT)は、この「原理」によって成り立っている検査なのです。(続く)




2017年11月2日木曜日

NHK生殖医療研究会に出席しました

医師の田口早桐です。

昨日尼崎で、兵庫医大の同窓の不妊治療を専門とする医療機関が集まって勉強会がありました。ホルモン補充周期での融解胚移植についての討論も行われ、結論としては、黄体補充をしっかり行っていれば、胚移植を行う際の血液中の黄体ホルモンの値、胚移植を行ったあとの血中黄体ホルモン値ともに、低くても妊娠率や妊娠継続率に関係ないことが分かりました。

当院では、内膜が厚くなって黄体ホルモンを開始する際に血中黄体ホルモンを測りますが(高いと移植キャンセルになります)、移植時や移植後にはとくに測定していません。改めてそれで問題ないことが確認できました。他施設と意見交換することは大事だと、改めて感じました。















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2017年10月18日水曜日

胎児異常の診断

理事長の中村嘉孝です。先月、ウィーンで開かれていた、ISUOG(国際産婦人科超音波学会)に行っていました。 不妊治療のゴールは無事に元気な子どもが産まれてくること。最近は機器の精度も上がって画像がとてもよく見えますし、妊娠初期の超音波でどんなサインがあるときに胎児に異常が出てくるのかも、段々とわかってきました。 一方で、染色体の異常についてはNIPT(新型出生前診断)が盛んになっており、もう染色体異常については超音波検査の出る幕はないのでは、とか、あるいはNIPTとどう組み合わせるべきか、など超音波の学会でありながら遺伝関係のセッションが数多くありました。 ただ、これらの議論を聞いていていつも思うのは、公衆衛生的観点から話をしているのか、個人としてベストの治療の話をしているのか混同されている場合が非常に多いということです。 また、学会の規制なども影響し、PC(ポリティカル・コレクトネス=ポリコレ)への配慮でごまかしがあったりして、論理的に考えておかしなことがまかり通っています。 例えば、日本では胎児の異常を理由とした中絶は法的にしてはならないことになっており、なにかと言えば「命の選別につながる」という論理を持ち出す学会が、なぜかNIPT(新型出生前診断)の団体(コンソーシアム)を作っており、他の施設がするのはまかりならないが、その団体がするのはよろしい、ということになっています。 本当のところは、一種の『利権』のようなものだと私は思っているのですが、「安易になされてはならない」とか「充分なカウンセリング体制が必要」とかポリコレにかこつけた説明がなされています。 しかし、胎児異常の診断を論理的に考えるとNIPTでカバーできる領域は半分もありません。超音波検査で遺伝疾患以外の異常もカバーし、遺伝検査では羊水で精密な遺伝検査をするというがベストの選択のはずです。 例えば、羊水での遺伝検査は急速な勢いで進んでおり、染色体の微小な欠損のみならず、Whole Exon Sequencingといって、遺伝子レベルでのスクリーニングも行われるようになっています。本来はこの違いを強調して、NIPT の限界を伝えるべきだと私は思うのですが、民間企業の主導による現在の技術の進歩について説明をして薦めることは、なぜかポリコレ的には「よくない」ことで、むしろ、その信頼性を疑う発言がポリコレとしては「正しい」のです。 また、超音波下での羊水穿刺によって起こる流産率は極めて低く、統計的になにもしない場合の流産率と変わらないことが近年の調査で知られていますが、なぜか昔の論文にある300分の1という数字をわざわざ持ち出してきて、この確率以下なら羊水穿刺をするメリットがないので、NIPTでスクリーニングをすべきだ、などという極めて珍妙な議論が学会でなされています。300分の1で胎児異常を見逃してしまうことと、300分の1で流産してしまうことと、一体、何の比較になるのでしょうか? まあ、社会は論理で動かず、角を立てずに時代に流されながら生きていくのが人生というものではありますが、自ら生殖については妥協をすべきではないと私は思いますね。ポリコレの言説に絡め取られることなく、自分にとって真に意味のある選択をされることを願っています。 弊院では積極的に胎児診断に取り組んでいます。この度、オーク住吉産婦人科にGE社のVoluson E10 という超音波診断装置を導入しました。最新鋭の機種で、正直、いい値段がするので購入を迷っていたのですが、最終の検討のつもりで今回の学会に参加しました。 Voluson E10 による診断技術について各国からの発表を頑張って勉強した上でGE社の展示スペースに出向いたのですが、ウィーンの学会になぜか日本の営業担当者がいて、最後は「お値段も頑張って勉強しますから」ということで、購入となりました。
















船曳ドクターが書籍を出版しました

事務部よりお知らせです。

当院の船曳美也子ドクターが、10月5日に「あなたも知らない女のカラダ 希望を叶える性の話」(講談社)を出版しました。

妊娠、出産、不妊治療、閉経、体外受精などの最先端医療について、すべての世代の女性に知っていただきたい内容だけでなく、男性にも、女性の身体への理解を深めていただける内容になっています。
次のWebマガジンでも、船曳ドクターのインタビューとともに、書籍が紹介されました。

クーリエ・ジャポン
https://courrier.jp/news/archives/99522/

おとなスタイル
http://otona-stylemag.com/posts/living/19112.html

当院のフロントや、全国の書店、Amazonなどで好評発売中です。
ぜひご一読ください。















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