2016年12月23日金曜日

人工知能

理事長の中村嘉孝です。

オーク会では体外受精のプロセスを、すべて情報システムで管理しています。週一回のシステム開発会議で現場からフィードバックを受けながら、このシステムは社内のIT部門によって自社開発されています。

凍結胚についても、当然、システム上で個別に登録されており、分割プロセスの顕微鏡画像やグレードなど履歴が一目で判るようになっています。
さらに、それらの履歴情報を数値化しており、アルゴリズムに基づいてどの胚を優先的に移植すべきかシステムに自動的に表示されるようにしています。最近、人工知能の話題をよく目にしますが、大げさにいえば、この移植胚優先順位付けシステムも一種の人工知能。

もちろん定型化できない情報もありますから、メモとして残されていることも含めて総合的に人間が判断することにはなるのですが、その補助として非常に役立っています。
新しい技術を取り込みながらシステムを常にバージョンアップしていますので、人工知能の技術が発達すれば、より高度なサポートができるようになるのではないかと期待しているところです。

最近、『人工知能のための哲学塾』という本を読みました。著者の三宅陽一郎という方はゲームの人工知能を開発しているそうですが、工学と哲学の交錯する議論を紹介しています。

本当に機械が人間と同じように思考ができるようになるのか私にはわかりませんが、小説や映画では思考を獲得したコンピュータシステムが、いつの間にか人間に取って代わって世界を支配する、という筋書きがよくあります。
このような懸念は昔からのことで、1950年にSF作家のアシモフが著した「ロボットの三原則」が有名です。

「人に危害を加えてはならない」から始まる原則ですが、幸い現在のところまでそのような心配もなく、一方で技術の発展によって日常生活も随分と便利になっています。
しかし、店頭で質問に答えるロボットやiPhoneのSiriの受け答えを見ていると、確かに、空恐ろしく感じるときもあります。

先ほどの本によると、お掃除ロボットのルンバもサブサンプション・アーキテクチャー(Subsumption Architecture) とかいう人工知能の技術を使っているとのことで、驚きました。

念のため、今、自宅のルンバにアシモフの三原則を言い聞かせているところです。


























2016年12月5日月曜日

大人のファンタジー

理事長の中村嘉孝です。

先日、ニューヨークで生殖医学関係のセミナーがあり、参加してきました。着床前診断で染色体異常があっても、不思議なことに、そのまま胚移植したら結構な割合で元気な子どもが生まれます。受精卵が細胞分裂を繰り返して胎児になるわけですが、最初のころの細胞分裂ではエラーが起こりやすく、染色体異常の細胞が混じる。つまり着床前の胚は、正常と異常の細胞がモザイク状になっているわけです。そして、異常の細胞が淘汰されていって、やがてモザイクからすべて正常に変わっていきます。だから着床前診断に取ってきた細胞が異常でも、生まれてくる子どもには何もないのですね。

セミナーでは、モザイクがどのようにして起こり、どの部分から淘汰され、いつ頃までに正常に戻っていくのかを蛍光染色ではっきりと示した画期的な研究成果のプレゼンテーションがありました。もちろんモザイクが多いこと自体は数年前から知られていたのですが、少しでも正常でなければ胚移植すべきではない、という考えが支配的でした。メカニズムがわかり、モザイクだからよくない訳ではない、と言い切れるのに随分と時間がかかりました。









プレゼンテーションをしたのは女性の研究者でした。自分自身がモザイクの胚で妊娠した方で、最後のスライドは、元気な男の子の現在の姿でした。

街ではクリスマスの準備が始まっていましたが、ニューヨークを舞台にしたクリスマスの映画は数多くありますが、中でも『34丁目の奇跡』はよく知られた作品です。

「サンタはいない」と娘に教えているシングル・マザーの前に、「自分はサンタ」という老人が現れる。老人に徐々に心を開いていく娘。しかし、老人は精神病院に入れられる。老人を救い出そうと、彼女に思いを寄せている弁護士の助けを借りて「サンタは実在するか」を争う前代未聞の裁判が始まる・・・。

「本当はサンタがいる」というストーリーは、どうしても子ども向けの映画になりがちですが、恋愛もからめた上質な大人のファンタジーに仕上がっています。

帰りのJFK空港の保安検査場にも、サンタクロースがいました。フィンランドに帰るところなのでしょうか、驚く周囲の客に、少し早いクリスマスの祝福をしていました。その光景をみているセキュリティのスタッフたちも微笑んで

・・・というわけはなく、激怒していました。

「この忙しいのに、しょうもないことしやがって」
トランシーバーで3人ほど追加のセキュリティ・スタッフが呼ばれ、厳重に検査が行われていました。裸になってやっと検査を通ったサンタクロースは、上機嫌で後ろを振り向いて手を振りながら、ゲートに向かって去って行きました。










大人のファンタジーって、なかなか難しいですね。日本へ向かう飛行機が動き出した、ちょうどその時、窓の外に雪が舞い始めました。今年の初雪だったようです。




















2016年11月28日月曜日

インタビュー

医師の田口早桐です。

11月24日木曜日、銀座院で健康情報サイトFYTTEさんの取材を受けました。FYTTEといえば、1989年、フィットネスブームのさなかに創刊された、ダイエットや健康に関する記事のみで構成された雑誌で、私も時々買って読んでいました。それが今年の3月に休刊になり、現在はオンライン版のみとのこと。時代とはいえ、少し寂しいですね。

取材の内容は、妊活についてですが、詳細は楽しみにしておいていただくとして、当日の東京は、雪。11月の雪は54年振りとのことでしたが、取材を終えた帰り、あまりに寒く、手がかじかんで仕方ないので、思わず有楽町駅前の丸井でワゴンセールをしていた手袋を購入。ホッとしながら建物を出たところで、テレビクルーにマイクを向けられました。

「めざましテレビです。紅白の出場者のリストが今日発表になりましたが、このリストを見て、どう思われますか?」

うーん。さっきまでの不妊や妊活に関しての質問ならすらすら答えていた私ですが、これにコメントするのは、とっても難しい。とっさに出たのが、「大竹しのぶさんが、出場ですか・・・、何を歌うんだろう。」

我ながらイケてないコメントだなあ、と落ち込み、多分ボツだろう、と思いながら、それでも翌日しっかり録画して、チェックしてしまいました。


はい、一応採用されていました。良かった。
































2016年11月17日木曜日

田口ドクターが『マイナビニュース』の取材を受けました

事務部よりお知らせです。

田口早桐先生が、『マイナビニュース』の取材を受けました。

“妊活・不妊治療の前に知りたいこと、不妊治療経験者の産婦人科医が答えます”
http://news.mynavi.jp/articles/2016/11/16/ninkatsu/

ぜひご覧くださいませ。














医療法人オーク会のホームページ

2016年10月25日火曜日

NHKクローズアップ現代+放送されます。“老化”を止めたい女性たち~広がる卵子凍結の衝撃~

事務部よりお知らせです。

NHK『クローズアップ現代+』で「卵子凍結」について船曳美也子先生が取材を受け、
オーク住吉産婦人科が紹介されます。
10月26日(水)22:00~の放送ですので、皆様ぜひご覧ください。

http://www.nhk.or.jp/gendai/schedule/#p3882












2016年10月18日火曜日

「あいちARTを語る会」で講演をさせていただきました

医師の田口早桐です。

先日、名古屋で行われた「あいちARTを語る会」で講演をさせていただきました。今回の会は生殖医療に関わる女医さんたちばかりの会で、私の講演のタイトルは「卵子凍結の適応と技術的課題」です。私の講演の前には医療法人成田育成会 セントソフィアクリニックの伊藤知華子先生による、ホルモン補充周期による融解胚移植の際の黄体ホルモン膣剤単独使用と経口と併用の比較、に関する講演がありました。


少人数の会でしたが、皆さんベテランの女医さんばかりでいろいろ情報の交換もでき、有意義な時間を過ごすことができました。残念だったのは、私がその日中に大阪に帰らなければならず、講演後の懇親会でゆっくり出来なかったこと。着席式だったのですが、時間のない私に合わせて凄いスピードで料理が出てくるので思わず「すみません・・・。」と謝ると、「何言ってるの、私たち、産婦人科医よ!食べるスピードはふだんからめちゃくちゃ速いから大丈夫!」とのお答え。確かに皆さん、かなり早食いの私でも感心するスピードでした。



今回お会いした名古屋の先生方はとても温かく、ユーモアたっぷり。懇親会のときにさりげなく話されていた普段の症例についてのお話も、とても参考になりました。また機会あれば是非参加させていただきたいなあ、と思いました。





















2016年10月11日火曜日

カメラと小籠包

理事長の中村嘉孝です。 訳あってデジタル一眼レフが要るようになり、何を買ったらいいのか、ずっと迷っていました。 カメラにはプロより詳しいアマチュアもたくさんいて、その方々のブログがとても参考になりました。最初はメーカーの名前とか書かず、D750とかα7とか当然のように型番で書かれているし、光学の専門用語が飛び交っているので難しかったのですが、やっと何のことを書いてあるのかわかるようになりました。 しかし、読めば読むほどこの趣味の世界は驚くほど奥が深く、最新機種を全て試している人もいれば、フィルム時代のクラッシックカメラを愛好する人もいる。超望遠レンズで野鳥だけを取り続けている人もいれば、照明器具一式を揃えてアニメコスプレばかり撮影している人もいます。 すごい人になると、SNSに食事の写真を載せるだけに毎日一眼レフを持ち歩くとか。おかげで、大変勉強になりました。その中で一番目から鱗が落ちたのは、プロ向けの超高級カメラの方が、一般向けのものより画素数が少ないということ。 最初は何を言っているのか理解できなかったのですが、だんだんと次のような理由だということがわかってきました。 一画素の素子の表面が100%使えて、全く隙間なく並べることができるのであれば、小さい素子がたくさん並ぶほどいいはずなのですが、実際の素子には受光できない部分があります。 これは素子が大きくても小さくても同じサイズなので、同じ面積に撮像素子を小さくして詰め込むと、その部分の割合が大きくなってロスが増え、かえって画質が落ちる。なので、センサーの面積と画素数には最適のバランスがある。 唐突な喩えですが、いうなれば肉まんと小籠包みたいな関係でしょうか。あまりに小籠包を小さくしすぎると、肉まんと同じ量を並べても皮の味しかしなくなります。あまり上手な説明ではないかもしれませんが、お分かりいただけるでしょうか。 さて、この画素数の問題。もちろん、メーカーはそんなことは十分にわかっているのだけれど、実際には「世界最高、画素数」などという広告の方が売れてしまうから仕方ない、ということでした。 実に残念なことですが、体外受精の世界でも同じことがあります。どうしてもマスメディアに出る「新しい技術」を信じてしまいがちですね。もしろん、不妊治療の世界でもプロより詳しい患者さんはおられてブログを書かれている方もおられます。しかし、それでも圧倒的に情報が少ない世界です。私どもも、ブログなどを通じて、もっと技術的な情報を提供できればと思っています。 また、「K30の被写界深度は・・・」とかいうようなカメラのブログのように、どうしても高度に専門的な領域というのは説明が難しいのですが、できるだけ喩えなどを工夫してわかりやすくお伝えできればとも願っています。 ちなみに、私には551の皮は少し厚すぎるように思っています。





















2016年9月26日月曜日

欧州ヒト生殖医学会が主催するセミナーに参加しました

理事長の中村嘉孝です。

オランダは不思議な国です。英語でもHollandと呼ばれたりNetherlandと呼ばれたり、オランダ人の事はDutchで、それぞれイメージが違って、ややこしいですね。

オランダと聞くと風車とチューリップの牧歌的な農業国のイメージなのですが、その歴史ある王国の首都のアムステルダムと聞くと、まるで印象が違います。

大麻が合法で、街中のあちこちにある「コーヒーショップ」でマリファナを吸っている客の姿があり、また、カジノ、売春はおろか安楽死も合法で、ゲイ、レズビアンの聖地という究極のリバタリアニズムの国際都市というイメージですね。

今、アムステルダムで開かれていた欧州ヒト生殖医学会が主催するセミナーの帰途にあります。
ドナー卵への核移植、幹細胞から作成する精子と卵子、ゲノム編集など議論の多い新しい生殖技術についてのセミナーで、まことにアムステルダムにふさわしい内容です。銀座の開業前の忙しい時期ですので時間的に無理と諦めかけていたのですが、一泊で帰る最短スケジュールで参加でき、とても良かったです。

一番面白かったのはベルギーの生命倫理学者の話で、レズビアンカップルの一方の卵子をドナー精子で受精し、その胚から精子を作ってもう一方の卵子を受精させれば、カップルのそれぞれが子どもと25%遺伝的に繋がることができます。

今まで考えつかなかった視点で、日本で聞くと違和感のある話でも、アムステルダムの街で聞けば「あっ、そうなんだ」と思えるだけで不思議です。新しい技術の受容というのは、結局は慣れの問題なのだと改めて思いました。











2016年9月22日木曜日

『男性のみ』お断り

理事長の中村嘉孝です。

ネットでニュースを見ていて、ある記事が目に飛び込んできました。

「『男性のみ』お断りのイタ飯店 差別指摘」

東京のイタリアン・レストランが「『男性のみ』のお客様はお断り」との方針を打ち出したところ、「性差別だ」と批判が起きたというのです。

弊院でも「男性のみ」はお断りしているので、人ごとではありません。
男性不妊外来は行っているのですが、あくまでご夫婦での治療の一環とした運営で態勢を組んでおり、パートナーが受診されていることが前提になっています。

ただケース・バイ・ケースで、お受けしていることもあります。たとえば、思春期の男の子ががんの治療を受ける前に精子を保存しておくため受診することもあります。もちろん、そんな場合にお断りするはずはありませんので、電話でご相談いただければと思います。

弊院のことはさておき、先ほどのイタリアンの店の話。
私も考え方が偏っているのかもしれませんが、男同士なら蕎麦屋とか割烹とかでないと絵面も悪いし、そもそも男だけでイタリアンを食べて旨いのかと思ってしまいます
飲食店などは色々な個性があるからこそ面白いのであって、画一的な対応をする必要はないと思いますが、残念ながら、今回のお店は、安直なポリティカル・コレクトネスに屈して、方針を撤回したようす。

ところで私ごとで恐縮ですが、来週火曜日の午後、男二人でパンケーキを食べに行く予定になっています。














2016年9月9日金曜日

銀座

理事長の中村嘉孝です。

地方の飲食店などが少し流行ると、銀座に店を出したら、などと考えだす。これだけの客が来ているのだから、銀座に行けばもっと流行るはず、だと思う。たまに来る東京の客からも「銀座に出してくれたら毎週行けるのに」などと、そそのかされる。

どんなものかと不動産屋に物件をあたっていると、それを聞きつけた人から「銀座ですか、さすがですね」などとおだてられ、いよいよ本気になる。

自分の店がなんとかやって行けているのは、目の届く範囲だからマシなサービスができるだけではないかとか、経費が安いからリーズナブルに出せているだけではないかとか、そんな当たり前のことが冷静に考えられなくなる。

偶然に恵まれた幸運を忘れ、馴染み客への感謝もおざなりに、己の実力と自惚れて、ついには目一杯の借り入れをして、高い家賃で銀座に店を出す。もちろん最初は祝いの客が駆けつける。挨拶などと称して、近くの同業の店を回っては杯をあげ、天下をとったつもりになる。

でも、それまで。少し気の利いた店などあちこちにあるから、もの珍しさの最初の客はすぐに引いてしまう。「毎週通うよ」などと言っていた客も開店祝いだけで、それっきり。

だけど、まだ気づかない。自分の腕なら、半年でなんとかなると信じ込む。そのうち、留守を任せていた本店が傾き始める。いよいよ焦りだすが、まだ未練があって、銀座の店じまいはしない。ついに資金に行き詰ってから初めて、そんな器ではなかったことに気づくも後の祭り・・・。

そもそも銀座というのは昔からの老舗があってこその街で、京都と同じく、新参者がのこのこやってきて「銀座でございます」などと言うものではない。それに、銀座が流行や高級の代名詞だったのは、ずいぶん昔の話で、もう時代は青山、表参道や六本木。

そんなことも分からず今日もまた、銀座に新参者がやってくる。調子に乗って看板にまで「銀座」と入れて。

・・・すみません、調子に乗ってしまいました。「オーク銀座レディースクリニック」、10月1日にオープンします。銀座二丁目の中央通りの交差点、カルティエが入る茶色いビルの7Fです。

ビル内ですので、もちろん入院ができないなどの制約はありますが、自家発電装置、クリーンルーム、医療ガス配管など安全対策の設備工事を行った上で、本院と同じ規模のラボラトリーを確保しました。

スタッフは数ヶ月前から大阪に仮住まいして技術研修センターでトレーニング、その後、本院での実務にも従事した上でオープンに備えています。また、当面は本院からスーパーバイザーが常駐いたします。

カルテもオンライン化されていますので、大阪の診療をそのまま引き継げます。特に、これまで関東以遠から大阪までお越しいただいていました患者さまにとって、多少とも便利になれば幸いに思います。ぜひとも銀座院を受診いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

















2016年9月5日月曜日

麻疹

理事長の中村嘉孝です。

先日から熱と咳で苦しんでいます。麻疹(はしか)が流行のきざしとのことで心配していたのですが、ただの夏風邪のようで安心しました。

恋愛など若いころに誰もが通り過ぎる経験をさして、「はしかのようなもの」という言い方があるくらいで、少し前までは麻疹はあまり大事には考えられていませんでした。実際、ほんの10年ほど前の日本で、麻疹の流行は普通にありました。

ところがワクチン対策が進んで流行が見られなくなり、昨年にはWHOが日本から麻疹は「排除状態」にあると認定。今や、ジャスティン・ビーバーのコンサートに麻疹患者がいた、ということが重大ニュースになるくらいで、変われば変わるものです。

感染症は人間の最も根源的な恐怖心を惹き起こします。当時の舛添厚労相がテレビカメラを前に大活躍された新型インフルエンザの大騒ぎを思い出しても、論理的な対応の難しさを痛感します。

歴史が作られる過程で疫病が果たした役割を考えると、感染症のコントロールが重要なのはよくわかるのですが、ジカ熱とか、学生時代には聞いたこともなかったウィルスが流行する様子をみると、もっとも原始的な生命体であるウィルスを人類が制圧しようするのは、途方もない試みのように思えます。

現在、まさにアウトブレイクしようとしている麻疹。ご存知のように、たいていの方ははしかのワクチンを打っているはずですが、残念ながら終生免疫というわけではありません。皮肉なことに、流行がないとウイルスに晒される機会がなくなり、なおさら免疫の持続効果が弱まります。妊娠中に発症すると流産、早産のリスクが高くなるとされています。皆さまも、くれぐれもお気をつけ下さい。

ところで、「はしかのようなもの」と麻疹にたとえられる恋愛。「年をとってかかるとそれだけ重い」と続きます。だた麻疹とは違い、免疫がつかず何度も繰り返しながら、ますます重症化が進む症例も多いようです。














2016年8月18日木曜日

不妊保険

理事長の中村嘉孝です。
保険って難しい感じがします。保険会社のパンフレットをみると、いろんなグラフとか書いてあって、よくわかりません。でも、保険数理の計算は複雑ですが、保険の本質はあまりに単純です。

生命保険なら早死にした時に困るだけの金額、医療や損害の保険なら、病気、事故で生じる費用を、年金なら長生きした時に困るだけ金額をカバーする。ただ、それだけのことです。
私は、死んでも銀行借入をチャラにできるように掛け捨ての生命保険に入ってます。一方で、あまり長生きするとは思わないので、年金は法定のものだけです。リスク・ヘッジが目的なのだから、事故なく無事でいれば掛け金は消えていく。その掛け金をプールして、事故にあった人の損害を補償する。わかりやすい話です。

しかし、現実には貯蓄型だとか配当型だとかいう保険がたくさんあります。生命保険なのに、何歳まで生きていたらと御祝い金が出るとか、よく考えたら意味不明なのですが、そこが人間心理の難しいところです。色々考えているうちに、掛け金が消えていくだけじゃ損した気持ちになるのでしょう。

さて、金融庁が解禁した不妊保険ですが、各社とも商品化には二の足を踏んでいるようです。高額になる体外受精の費用をカバーしようとしているのでしょうが、事前リスクの評価やモラルハザードを考えると、仕方のないことだと思います。
体外受精クリニックの中には、最初に一括して100万とか一定額を預かって、何回までの治療はすべて含むというやり方をしているところもあります。これも一種の保険ですね。

実は当院でも検討したことがあるのですが、ご存知の通り、年令や基礎疾患によって成績が大きく変わってきますので、公平とは言いがたい。また、治療の方針をそのクリニックが決めるわけですから、逆のモラル・ハザードが起こりえます。そんな理由で定額プランは見送りにして、むしろ、引き続き体外受精のコスト自体を引き下げる努力を続けることにしました。
とはいえ、保険の設計が絶対に無理というわけでもないと思うので、ぜひどこかの保険会社が不妊保険を実現して欲しいところです。