2016年5月11日水曜日

ボローニャにて

理事長の中村嘉孝です。

着床前診断の学会でイタリアのボローニャに来ています。昨日、今日と昼休みに学会場を抜け出して、旧市街を散策していました。文化、歴史への造詣を欠く私には欧州の街はどこに行っても同じにしか見えないのですが、とりあえずボローニャ大学に行きました。

ボローニャ大学は世界最古の大学で、古くはダンテから近年ではウンベルト・エーコまでが籍を置いた名門です。そして、医学の分野では初めての解剖が行われた大学として知られています。さすが、進取の精神に富む自治都市だけありますね。

しかし、解剖室の壁には覗き穴があり、そこから異端審問の神父が監視していました。当時、人間の心は心臓に宿っていると考えられていたので心臓についての説明は許されず、それを見張っていたそうです。

なにやら、着床前診断をめぐる日本の状況のようですね。

さて、その他は地図にある名跡を歩いてまわりましたが、なんとも物乞いの多い街です。

昨日も、脇道を歩いていたらロマと思われる30過ぎの女がまとわりついてきます。
「タバコ持ってる?」とか言っているようで、適当にあしらっていたのですが、ふと気がつくと内ポケットの財布に指が掛かっていました。

ここでやられては「ひったくりNo1の街・大阪」の名が廃ります。威信にかけて追い払いました。

しかし夜、ホテルに帰って考えるに、現代のヨーロッパで尚、このような生活を余儀なくされるロマの歴史があります。物見遊山の客から財布をスることでしか家族を養うことのできぬ境遇を思うと、気の毒になってきました。

今日、再び昨日の脇道を歩いていると、また彼女がいてバツが悪そうにしています。
「根は悪い人間じゃないんだ」
そう思って5ユーロ札を出して握らせたところ、彼女は驚いて何か言っています。そして喜びのあまり抱きついて・・・また、財布をスられかけました。

すみません、千年の流浪の民をみくびってました。



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