2017年3月22日水曜日

保護主義

理事長の中村嘉孝です。

先日、ローマで開かれていた”17th World Congress on Human Reproduction”という生殖医学の学会に出席してきました。

それと特には関係ないのですが、先ほど、欧州訪問中の安倍首相もローマに到着、ジェンティローニ伊首相と会談した、という報道がありました。両首相は5月にイタリアで開かれるサミットで、保護主義に対抗するメッセージを打ち出すことで合意したとのこと

EUでは英国の離脱、アメリカではトランプ大統領と、世界中でグローバル化への反動が見られます。長い視点で見ればグローバル化による国際分業が経済成長につながるはずですが、その途中で経済的に取り残されてしまう人が出てくるのは間違いありません。反発が出てくるのは当然の成り行きでしょう。

また、グローバル化の批判でよく出てくるのは、海外の税制を利用した企業や富裕層の課税回避。私の知人にも、税金のために海外に移住している資産家の方が何人もおられます。私はローカルな仕事をしていますし、逃げるほどの資産もないので相変わらず大阪の下町に暮らしています。ですので彼らと会うたびに、「金のために祖国をないがしろにするとはけしからん」と言っているのですが、正直なところ、もし私が彼らの立場だったとしたら同じことをするだろうな、と思います。しかし、このようなことはグローバル化によって起きる問題というより、むしろグローバル化が進み、国際的に税のルールが統一されれば解消されることです。

実は、生殖医療の分野でも似たような現象があります。ご存知のように、卵子・精子ドナー、代理母、着床前遺伝子検査(PGS/PSD)、同性カップルなど、規制は国ごとにまったく異なります。日本の学会の規制も特異ですが、EU内でさえ国ごとに規制はバラバラです。経済活動と違って倫理観が根拠になっているので、グローバル化して統一しようという機運にならないのですね。

結果どうなるかというと、本当に治療を必要としている人たちは、国境を超えて治療を受けに行くようになります。現実的に国境をまたげば何でもできるわけですし、すでに多数の方々がそうしいます。ですから、私は早々に規制を廃止していけばいいと思うのですが、そうならないですね。むしろ、規制は強化され、複雑化していく一方。

経済の保護主義もますます盛んになる気配ですが、所詮お金のためだけにさえ人は国境を越えるのですから、子どもを持つとういう遥かに重要な人生の選択を阻む規制があるのであれば、国境を越えて治療を受けることを、私は当然のことだと思っています。

さて、今回の出張はスリが多いイタリアなので、準備にスーツの下に貴重品を身に付けるものをAmazonで注文したところ、刑事ドラマに出てくるショルダーホルスターのようなものが届きました。どうなるかな、と思いつつ出掛けたのですが、帰りの空港のセキュリティで止められました。
ボディチェックのために両手両足を拡げたら、
「違う。両手を前に出して」
犬みたいに両手をそろえて前に出さされ、何をするのかと思うと指先を試験紙のようなもので丹念になでられました。そして、その紙を奥にある計測器らしき機械に入れて何やら調べている様子。それを何度か繰り返して放免されましたが、こんな奇妙な保安検査は初めてです。何事かと思って後で、ネットで調べたら、硝煙反応の検査でした。

国境を越えるのに下らない冗談をするものではないと、つくづく反省をした次第です。





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2017年3月1日水曜日

船曳先生が取材を受けました

事務部よりお知らせです。

船曳先生が「卵子凍結」について取材協力した、甘糟りり子さん著『産まなくても、産めなくても』(講談社)が発売されました。
甘糟りり子さんとの対談もwebで紹介されておりますので、ご覧くださいませ。
http://news.kodansha.co.jp/20170226_b01















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